井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年10月12日 金曜日

雇入れ時の派遣料金額明示の義務化等について(改正労働者派遣法の解説⑦)

今日は、10月1日に施行された改正労働者派遣法における改正3本柱のひとつ「派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善」について、その項目毎に詳しく解説する第4回目(解説連載では第7回目)です。

派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善策として、今回新たに盛り込まれた改正項目は、①有期雇用派遣労働者等の無期雇用への転換推進措置の努力義務化、②賃金決定等の際における均衡待遇確保の義務化、③マージン率等の情報公開の義務化、④雇入れの際に派遣料金額の明示の義務化、⑤派遣契約の中途解除の際に派遣元と派遣先が取るべき措置の規定化、の5項目でした。

今日は、このうちのひとつ「雇入れの際に派遣料金額の明示の義務化(上記④)」を取り上げます。


【派遣労働者の待遇に関する課題】
○派遣労働者の働きに見合った待遇・処遇がなされていないこと
○派遣元の事業運営が不透明であること(派遣労働者・派遣先から見えにくい事業運営体制)

注)この2つは、上記②賃金決定等の際における均衡待遇確保の義務化、③マージン率等の情報公開の義務化、④雇入れの際に派遣料金額の明示の義務化、の3項目において、共通の課題となっていますね。


【新たに導入された規制】
①待遇に関する事項等の説明の義務化
派遣元に対して・・・派遣労働者として雇用しようとする労働者へ、賃金額の見込み等の待遇に関する事項について説明することが義務化されました。

②労働者派遣に関する料金等の明示の義務化
派遣元事業主に対して・・・雇入れ時・派遣開始時・派遣料金額の変更時において派遣労働者へ、労働者派遣に関する料金額について明示することが義務化されました。

③紹介予定派遣に係る契約締結の際の留意事項
派遣元と派遣先に対して・・・紹介予定派遣に係る労働者派遣契約の締結の際、職業紹介後に労働者が従事する業務の内容、労働条件など紹介予定派遣に関する事項を契約に定めることが義務化されました。


【待遇に関する説明事項等について】
○説明すべき事項は、大きく3つです。

①派遣労働者として雇用した場合における賃金額の見込みその他の待遇に関する事項
②事業運営に関する事項・・・派遣元の会社概要・事業内容についての説明です。
③労働者派遣制度の概要・・・厚労省HPにあるような派遣労働者向けリーフレットを提示すればOKです。

この中で、「その他の待遇に関する事項」については、例えば、想定される就業時間・就業場所・教育訓練等が考えられますが、説明の時点で条件面がすべて決定しているとは限らないので、決まっている範囲の内容を説明すればよい、とされています。

※なお、この規制があるので、派遣元は、派遣先から「労働条件の決定に必要な情報」を入手しておく必要があります。
前もって把握していないと「均衡を考慮した待遇」について説明できないので、今日の「待遇に関する事項等の説明」と一昨日の「賃金決定等の際における均衡待遇確保」の2つは、連動しているということです。


○説明の方法
書面・FAX・メールその他の方法により実施します。
限定列挙ではありません。一応、口頭説明やインターネット掲示も認められています。

注)ただし、「賃金額の見込み」だけは、書面・FAX・メールのいずれかの方法に限る、とされています。
トラブルの種になりがちな賃金額に関しては、書いたモノでないと駄目、ということですね。


○説明の時期
労働契約の「締結前」です。
要するに、登録型派遣の場合で、登録中の労働者に対して説明するようなイメージですね。

また、説明する時期が労働契約の締結前とされている以上、その説明する「賃金額の見込み」は、確定額でなくても(一定の幅を持った説明でも)よい、とされています。


【派遣料金額に関する明示事項について】
○明示すべき派遣料金額は、以下①②のいずれかです。

①派遣労働者本人の派遣料金額
②派遣労働者が所属する事業所における派遣料金額の平均額

ちなみに、②を使って明示する場合、明示する派遣料金額は、その事業所に所属する全派遣労働者の全業務平均の額で足りる、とされています。必ずしも就く業務別に分けて算出・明示する必要はありません。


○明示の方法
書面・FAX・メールにより実施します。
3つ限定列挙です。また、明示する場合の金額の単位については、時間単位、日単位、月単位等、制限はありません。

注)
派遣料金額に関しては、口頭等による明示は不可です。


○明示の時期
①労働契約の締結時
②実際の労働者派遣時
③明示した派遣料金額を変更する時

ただし、①(労働契約の締結時)で明示した派遣料金額と②(実際の労働者派遣時)の派遣料金額が同じである場合、②の明示は省略できます。


では、今日のところはこの辺で。

ひきつづき、明日は「派遣契約の中途解除の際に派遣元と派遣先が取るべき措置の規定化」を、取り上げる予定です。
どうぞお楽しみに。



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ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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