井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年10月 9日 火曜日

有期雇用から無期雇用への転換推進措置について(改正労働者派遣法の解説④)

今日からは、前3回に続いて、10月1日に施行された改正労働者派遣法における改正3本柱のひとつ「派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善」について、その項目毎に詳しく見ていきます。

派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善策として、今回新たに盛り込まれた改正項目は、①有期雇用派遣労働者等の無期雇用への転換推進措置の努力義務化、②賃金決定等の際における均衡待遇確保の義務化、③マージン率等の情報公開の義務化、④雇入れの際に派遣料金額の明示の義務化、⑤派遣契約の中途解除の際に派遣元と派遣先が取るべき措置の規定化、の5項目でした。

今日は、このうちのひとつ「有期雇用派遣労働者等の無期雇用への転換推進措置の努力義務化(上記①)」を取り上げます。


【有期雇用の派遣労働者等を取り巻く課題】
○能力開発の機会が得にくいこと
○派遣労働者としての就業経験が評価されにくいこと
○やむを得ず派遣で働いているにもかかわらず固定化していること
(できれば「安定した雇用形態」で働きたい意向の派遣労働者が多い)
○無期雇用になるための機会が少ないこと


【新たに導入された規制】
○無期雇用への転換推進措置
不安定な雇用形態とされている、「登録型」派遣労働についての規制です。

一定の有期雇用の派遣労働者等について、労働者本人の希望に応じて、無期雇用への転換推進措置(下記のいずれか)を講ずるよう、派遣元に対して努力義務化されました。

なお、この規制を設ける一方で、派遣先が無期雇用の派遣労働者の受入れを選考する際のインセンティブとするために、無期雇用の派遣労働者については、労働契約申込義務の適用対象から除外(26業務に限る)されています。


【対象となる「一定の有期雇用派遣労働者等」の範囲】
下記①②のいずれかに該当するケースが対象、とされています。

①派遣元事業主との雇用期間が通算して1年以上ある「有期契約の派遣労働者」
②派遣元事業主との雇用期間が通算して1年以上ある労働者を、「派遣労働者」として雇用する場合

この「1年以上」は、派遣元の人事記録等で確認できる期間です。
また、この対象者の範囲には、「登録者」も含まれています。(上記②は、登録中の労働者(登録者)を新たに雇用する場合が想定されています。)


【派遣元が講ずべき措置の内容】
派遣元は、下記①〜③のうち、「いずれかひとつ」の無期雇用への転換推進措置を講ずるよう努める、とされています。

①無期雇用の派遣労働者(つまり「常用型」派遣労働)、又は無期雇用の通常の労働者として雇用する機会を提供すること
②紹介予定派遣の対象とすることで、派遣先での直接雇用を推進すること
③無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練等(いわゆる研修)を実施すること

ただし、現時点では、努力規定(要は「そうするよう努力してください」)に留っているので、法的な強制力は発生しませんが、先々(次回の改正等で)は、義務化される可能性があります。

なお、この措置の実施は、あくまで「労働者本人の希望に応じて」です。
つまり、派遣元としては、労働契約の締結・更新の際やメールの活用等により、措置の対象となる労働者に対して、普段から「希望」を把握しておく必要がある、ということですね。


では、今日のところはこの辺で。

ひきつづき、明日は「賃金決定等の際における均衡待遇確保の義務化」を、取り上げる予定です。
どうぞお楽しみに。



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ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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