井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年10月 3日 水曜日

離職後1年以内の労働者派遣の禁止について(改正労働者派遣法の解説③)

今日は、10月1日に施行された改正労働者派遣法において改正項目の目玉となった「事業規制の強化」について、その項目毎に詳しく解説する第3回目です。

事業規制の強化策として今回新たに盛り込まれた改正項目は、①日雇派遣の原則禁止、③グループ企業派遣の8割規制、③離職した労働者の離職後1年以内の派遣受入れ禁止、の3項目でした。

今日は、このうちのひとつ「離職後1年以内の労働者派遣の禁止(上記③)」を取り上げます。


【離職前の事業主への労働者派遣の問題点】
○本来は直接雇用すべき労働者を派遣労働者に置き換えることで、労働条件を切り下げている可能性があること
○常用雇用を代替している典型例で、労働者派遣法の趣旨に反していること


【新たに導入された規制】
○離職後1年以内の労働者派遣の禁止
以下のとおり、それぞれ規制が導入されたので、派遣元・派遣先ともに注意が必要です。

①派遣元に対しては・・・
離職した労働者を、離職後1年以内に離職前事業者へ、派遣労働者として派遣することを禁止(派遣元の義務)

②派遣先に対しては・・・
自社(派遣先)を離職後1年以内の労働者を、派遣労働者として受け入れることを禁止(派遣先の義務)

なお、上記①②ともに、改正法施行日(10月1日)以降に締結する労働者派遣契約から適用されます。このため、たとえ離職日が10月1日より前であっても、同日以降に新たに労働者派遣契約を締結する際には、この要件が問われます。


【留意事項など】
○禁止対象となる派遣先・・・
「事業者」単位(会社単位)で見ます。
支店など「事業所」単位ではない点に注意が必要です。
一方で、グループ会社・関連会社などは、それぞれ別々の会社なので、この規制が適用されません。

例えば、ある会社のA工場を離職した労働者を、同じ会社が運営するB工場に派遣することは禁止されますが、その子会社のC社や、下請会社のD社に派遣することは禁止されません。また、A工場離職から1年以上が経過していれば、B工場への派遣も禁止されません。

○禁止対象から除外される派遣労働者・・・
60歳以上の「定年退職者」(継続雇用後に離職した者や継続雇用中の者を含む)のみです。

これ以外の労働者については、正社員・パート・アルバイトなどの属性を問わず、規制が適用されます。

○派遣先に課せられる義務・・・
派遣先は、派遣労働者が自社を離職後1年以内の者であるときは、書面等により、その旨を派遣元に通知することが義務づけられました。

つまり、派遣労働者を受け入れる際、本人確認だけはしておく必要がある、ということです。事業所の数が多い大きな会社ほど注意が必要ですね。


では、今日のところはこの辺で。

これまでの3回は、今回改正の3本柱(①事業規制の強化、②派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善、③違法派遣に対する迅速・的確な対処)のうち、「①事業規制の強化」に焦点を当てて詳しくご紹介してきました。

今後、残り2本の柱についても、それぞれ詳しくご紹介する機会を持ちたいと思っています。こちらの都合で他の記事が先行したりして飛び飛びになってしまう可能性もありますが、大きな「柱」ごとに、できるだけまとめて途切れずやる予定でいます。
ひきつづき、どうぞお楽しみに。



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ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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