井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年9月 7日 金曜日

社会保障・税一体改革の流れで年金関連法が改正されました(その1)

最近巷でよく耳にする「社会保障と税の一体改革」ですが、この国を挙げての動きに沿って、8月10日付けで国民年金法と厚生年金法の一部を改正する法案が2つ成立し、同月22日付けで交付されました。


今日は、そのうちの1つ(正しい名称は「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」といいます)によって改正される内容を見ていきたいと思います。


主な改正内容は以下のとおりです。

①納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えるという観点から、受給資格期間が短縮されます。(税制抜本改革の施行時期にあわせて平成27年10月から施行)

年金の受給資格期間が、現在の25年から10年に短縮されます。
新たに10年とする根拠には、諸外国の受給資格期間が、概ね10年程度であることが考慮されました。
対象となる年金は、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金、寡婦年金と、これらに準じる旧法老齢年金です。
これにともない、現在、無年金の高齢者に対しても、改正後の受給資格期間を満たす場合には、経過措置として施行日以降、保険料納付済期間等に応じた年金が支給されます。


②基礎年金の国庫負担1/2が恒久化される特定年度(平成16年改正法で「別に法律で定める年度」と規定した年度)が、平成26年度と定められました。(税制抜本改革の施行時期にあわせて平成26年4月から施行)


③短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用が拡大されます。(平成28年10月から施行)

適用拡大の狙いは、被用者でありながら被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に社会保険を適用しセーフティネットを強化することで、社会保険における「格差を是正すること」と、社会保険制度における働かない方が有利になる仕組みを除去することで、特に「女性の就業意欲を促進すること」です。
施行前の1週の労働時間が30時間以上である従業員が「501人以上」いる企業が対象とされ、適用拡大される短時間労働者の要件についても、従前の1週30時間以上の労働から、「1週20時間以上の労働、月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)、勤務期間1年以上、学生は適用除外」と変更されました。


④厚生年金、健康保険等について、産休期間中の保険料が免除されます。(公布日から2年を超えない範囲内で政令で定める日から施行)

次世代育成支援の観点から、産前産後休業を取得した場合についても、育児休業を取得した場合と同様の配慮措置が講じられることになりました。
これにともない、産前産後休業を取得した期間については、将来の年金受給時に、その産休前の報酬月額に見合う年金額が支給されます。


⑤遺族基礎年金が父子家庭にも支給されます。(税制抜本改革の施行時期にあわせて平成26年4月 から施行)

従来の遺族基礎年金の受給権者は、死亡した者に生計を維持されていた子、又は子のある妻に限られていましたが、一定の要件を満たす「子のある夫」についても受給できることになりました。


上記の改正内容の中で、事業主として注意を払っておくべき項目は、特に③ですね。

施行時期はもう少し先の話(平成28年10月)ですが、事前の準備として、既存の就業規則や雇用契約書の見直しなど、早めに社内の社会保険適用ルールなどについて整備しておくことが大切です。



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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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