井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年9月 6日 木曜日

建設産業における下請企業の責任について

昨日の記事では、今般の建設産業においては、業界を挙げて社会保険への加入促進など、公的保険の未加入企業をなくす取り組みが進められているという話題と、その状況下における元請企業の責任と役割について取り上げました。


しかし、従来から日本の建設産業では、社会保険など公的保険の未加入企業が、下請企業を中心に存在している状況が目立ちますので、今度は同じ状況下における、
下請企業の役割と責任について考えてみたいと思います。


建設産業行政のガイドライン(建設産業における生産システム合理化指針)によると、元請企業は、すべての下請企業を指導する立場にあるとされています。
また、これに加えて、建設業法施行規則の改正により、今後の元請企業は、下請企業の社会保険などへの加入状況を把握するとともに、施工体制台帳や再下請負通知書などの帳簿類にその加入状況を記載することが必要とされました。


一方で、社会保険に関する法令に基づき従業員の社会保険への加入義務を負っているのは、本来的には「雇用主」。つまり、個々の下請企業です。
このため、建設産業界全体に社会保険への加入を徹底させるためには、個々の建設労働者を雇用する者、つまり、それぞれの下請企業が、自ら積極的にその責任を果たすことが必要不可欠です。


これらのことから、下請企業は、次の2つの責任を果たすことが必要と考えられますね。

①労働者である社員と請負関係にある者を明確に区別した上で、労働者である社員については、社会保険加入手続を適切に行うこと。

②元請企業が行う指導に、自社が協力することはもちろんのこと、再下請企業に対しては自社も指導する立場として、元請企業が行う指導の補完等に協力すること。


いずれの指導・管理の形態を採るにしても、上記のとおり建設産業界を挙げて、公的保険の未加入問題対策に取り組んでいますので、下請企業は、元請企業の指導に依存するだけでなく、当然に個々の労働者の「雇用主」として、自らが現状を改善していく意識改革を図ることが必要ですね。


なお、上記①に関連する話として・・・下請企業は、これまで雇用関係にありながら社会保険などに加入させていなかった労働者を新たに加入させることになった際、労務関係諸経費の削減を意図して、これらの労働者を対象に個人事業主として請負契約を結び直すような行為は避けましょう。

なぜかというと・・・もし、この行為が認められた場合、たとえ見た目は請負契約の形態であっても、実態がその労働者と雇用関係にあるとみなされます。つまり、偽装請負を行ったとして、職業安定法等の労働関係法令に違反することになりますので、こういう安易な考え方は止めましょう。



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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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