井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年8月29日 水曜日

改正労働契約法について解説します(その2)

先日の改正労働契約法の公布を受けて、その改正内容について、項目ごとに解説していく2回目です。


2回目の今日は、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止(改正後の第20条)」を取り上げます。

なお、この改正内容の施行日は、公布の日から起算して1年以内の政令で定める日とされていますので、まだ施行待ちの状態です。


【法改正の趣旨】
予てから有期契約労働者については、無期契約労働者と比較して、雇止めの不安があることによって合理的な労働条件の決定が行われにくいことや、処遇に対する不満が多く指摘されていることから、法律上、有期契約労働者の労働条件を設定する際のルールを明確化することにより、有期労働契約者にも適正な労働条件の確保を図る狙い。


【改正内容の概略】
有期契約労働者の労働条件が、「期間の定めがあることにより」無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容(「労働者の業務の内容および当該業務にともなう責任の程度」を指します)、当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、有期労働者にとって「不合理と認められるもの」であってはならない、とされました。


【ちょっと一問一答】
1.不合理性が認められる場合の判断基準は何か?

法第20条に列挙されている要素(職務の内容、当該職務の内容および配置の変更の範囲その他の事情)を考慮しつつ、「期間の定めがあること」そのものを理由とした、不合理な労働条件を禁止する主旨なので、有期契約労働者と無期契約労働者との間に、労働条件の相違があれば直ちに不合理とされる訳ではありません。労働契約の内容となっている一切の待遇について、「個々の労働条件ごとに」判断されます。
ただし、通勤手当、食堂の利用、安全衛生など、契約期間の長短に直接的には関係が無い労働条件について条件を相違させることは、特段の理由がない限り、合理的とは認められません。


2.不合理と判断された部分の解釈はどうなるのか?

法第20条により不合理と判断された労働条件の定めは、「無効」です。
また、無効と判断された部分については、基本的に「無期契約労働者と同じ労働条件」が認められます。


3.紛争になった場合、不合理性の立証責任は誰にあるのか?

法第20条は、民事的効力が認められる規定なので、不合理と判断された労働条件については、不法行為としての損害賠償が認められます。
また、法第20条について民事訴訟が提起された場合、司法上の判断は、有期契約労働者および使用者「双方が主張立証を尽くした結果」が総体としてなされる、とされていますので、有期契約労働者側に一方的に主張立証責任が負わされるという訳ではありません。


それでは、今日はこの辺で。
次回(最終回)は、「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(改正後の第18条)」を取り上げます。どうぞおたのしみに。



****************************
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

中小企業の労務管理のこと、資金調達のことなら何でも。
経営者の良き相談相手、井溝社会保険労務士事務所です。

下記よりどうぞお気軽にお問い合わせください。

****************************


投稿者 井溝社会保険労務士事務所

カレンダー

2015年2月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28