井溝社会保険労務士事務所ブログ

2012年7月 6日 金曜日

労災事故は正直に報告しましょう

今週は「全国安全週間」なので、ちょっと突っ込んだ労災絡みの話題を、もうひとつ。

日本では労働安全衛生法により、労災事故が発生した場合、その事業所は、所轄の労働基準監督署に対し「労働者死傷病報告」を提出することが義務づけられています。また、これの提出を怠った場合、又は、虚偽の内容を報告した場合には、罰則が適用される旨が定められています。


ところで、人事労務に関わる仕事をしていると、よく「労災かくし(隠し)」という言葉を耳にすることがあります。
また、「○○労働基準監督署は、労働安全衛生法違反の疑いで、建設会社Aと経営者○○を○○地方検察庁に書類送検した。」といった記事を目にする機会があります。


では、一体どういう行為が、労災かくしに当たるのでしょうか?

労災かくしというのは、先ほどの労働者死傷病報告を「故意に提出しないこと」又は「虚偽の内容を記載して提出すること」を指します。
これは労働安全衛生法違反で重大な犯罪行為に当たりますので、万一これが発覚すると、その事業所の信用は大きく失墜します。


検察庁への事案送検数をみると、最近は、年間130〜140件の労災かくし事案が発覚しています。
また、送検事案の内容をみると、故意に報告を提出しなかった理由について、「元請けの労災保険を使うと迷惑がかかり、仕事がもらえなくなると思った。」とか、「受注を確保するために元請けに労災保険で迷惑をかけたくない。」とか、受注先との関係継続を理由として隠蔽した例が目に付きますね。

しかし、一方では「元請けの担当者2名と1次下請けの建設会社社長も黙認していたとして、労働安全衛生法違反の共犯で書類送検した」という例も目に付きますね。
つまり、下請け会社は、自社が隠蔽したことによって、逆に元請け会社に迷惑がかかる場合があることを、よく認識しておく必要があります。元請け企業まで被害がおよんだら、それこそ本当に取引が無くなる事態になりかねませんからね。


労災事故が発生する可能性はどの事業所にもあります。また、その労災事故が人命に関わる場合があります。
先ほどの信用失墜の懸念、取引先との関係などを勘案すると、事業所は、万一の場合こそ正直に、モラルを持って行動しましょう。


なお、労働基準監督署によると、労災かくし事案の把握は、事業所への監督指導時に発覚する場合を除くと、被災労働者からの情報提供によるところが多いらしいです。だから、うまく隠したと思ってもバレる確率は高いのです。



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投稿者 井溝社会保険労務士事務所

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